世界のウイスキー

およそ700種類に及ぶ世界中から集められたウイスキーのテイスティングノートや情報はこちらからご覧いただけます。現在は多くのテイスティングコメントを皆様にお届けするために、バッチ(製造年)違いである同一商品のテイスティングも掲載しておりますので、現在発売されているウイスキーの評価とは限りません。予めご了承ください。

テイスティング

Whisky Magazine ではウイスキー専門家、作家、愛飲家によるテイスティングを毎号開催し、その情報を皆さんにお届けしています。

推奨ボトル

テイスターが判定したポイントの規定によってSilver Recommended(銀賞)もしくは Gold Editors Choice(金賞)が毎号決定します。


グレンフィディック エクスペリメンタルシリーズ ファイヤー&ケーン    47.0%

  • 蒸溜所名: グレンフィディック蒸溜所
  • 地域: スペイサイド
  • ブランド: ウィリアム・グラント&サンズ
  • 価格帯: £26-70
  • 入手可能場所: 全世界
  • 掲載号:155号

ロブ・アランソンSCORE8.5

香り
葉っぱや森の林床を強く思い起こさせる匂い。埃っぽい本や古い教会のようなカビくささが少し。シンダートフィー、ミルクチョコレート、革製のブックカバー。オレンジ味の咳止めトローチ。
最初はソフトで穏やかな風味。やがて突然のようにスパイスとタンニンが立ち上がる。心地よいフローラルな風味と製材所のような感触。ここにはスモーク香が潜んでいるようにも感じられる。
フィニッシュ
余韻は長いが、ややスパイシーなエッジも立っている。いちばん最後には非常にフローラルな余韻を残す。
コメント
フローラルな風味が主導しているとても面白い味わい。こっそりと潜んでいるようなスモーク香の表現がとてもいい。スパイスの一撃も素晴らしい。愛すべきウイスキー。

リンジー・グレイSCORE9.0

香り
草花の爆弾。甘いフルーツ香と石鹸のようにフローラルな香り。青リンゴ、マシュマロ、焼き立てのスコーンを思わせるくっきりとした香り。その後で、霧雨に濡れた樹皮や松の木の匂い。
水気たっぷりのリンゴ(グラニースミス種)にかぶりついたような味。甘酸っぱく、適度に蝋のような風味もある。バニラカスタード、シナモン、焼いたオート麦、ノコギリで伐ったばかりの松材。
フィニッシュ
フローラルでフルーティなフィニッシュ。スパイスの利いたドライな余韻で、もっと飲みたくなるような後味。
コメント
心地よい香味をバランスよく混ぜ合わせたようなウイスキー。

グレンフィディック エクスペリメンタルシリーズ #02 プロジェクトXX    47.0%

  • 蒸溜所名: グレンフィディック蒸溜所
  • 地域: スペイサイド
  • ブランド: ウィリアム・グラント&サンズ
  • 価格帯: 26-70
  • 入手可能場所: 全世界
  • 掲載号:141号

ローラ・フォスターSCORE7.5

香り
松やパインレーズンの爽やかなアロマ。そこにオレンジの皮と中果皮の匂いが混ざって、プルーンシロップも感じさせる香り。
まず舌の上に感じるのは、やわらかな果樹園の果物。なかでも酸味のあるプルーンのような特徴が味蕾の感度を上げる。クリーミーで甘い要素もある。クレームブリュレ、バニラポッド入りのライスプディング。最後はジンジャービスケット。
フィニッシュ
ワクワクするようなバニラ風味。
コメント
飲みやすく、ソフトで安心できる風味。

マーク・ニュートンSCORE7.6

香り
飴菓子の「ヴェルタース・オリジナル」を思わせるゴージャスなバターミルクとバニラで幕開け。トフィーとゴールデンシロップ。クリーミーな匂いはアップルパイに変化し、弾けるようなレモンジュースや、香り高い満開のバラのような印象も現れる。
青リンゴ、生のアンズ、ハチミツ酒、軽いハチミツ、わずかにワックスのような風味も相まって、唾液を誘うような風味。ふんだんなバニラとファッジの風味に対してモルト風味がバランスを取る。海水と柑橘の感触。
フィニッシュ
期待したほどの長いフィニッシュではないが、新鮮なフルーツとモルト風味が効果的に噛み合っている。
コメント
極めて複雑なわけでもないが、くっきりとしたフレーバーがあって最終的には楽しく飲めるウイスキー。

グレンフィディック エクスペリメンタルシリーズ #01 IPAエクスペリメント    43.0%

  • 蒸溜所名: グレンフィディック蒸溜所
  • 地域: スペイサイド
  • ブランド: ウィリアム・グラント&サンズ
  • 価格帯: 26-70
  • 入手可能場所: 全世界
  • 掲載号:140号

クリス・グッドラムSCORE8.2

香り
バブルガム。モモ、アンズ、パイナップルなどの白いフルーツ。その後から、甘いファーストフィルのアメリカンオークと思われる艶めかしい香り、そして大麦。柑橘の香りがバランスをとる。
口いっぱいに広がるリッチで、クリーミーで、ミルキーで、バターのようなオーク風味。大麦と柑橘の風味も感じられる気がする。
フィニッシュ
ついに柑橘風味がオークの支配を抜け出す。
コメント
アメリカンオークは好きなのだが、口に含んだときのオーク風味があまりに支配的すぎるように感じた。

ジョエル・ハリスンSCORE7.9

香り
最初は若々しいタバコの香り(巻きたてでエイジング前のシガー)。オークのおがくずと新しい皮革の匂いもある。ヌバックや紡ぎたての羊毛の匂いが突き抜けてくる。
まず感じるのは、軽やかなコーヒーの風味。その後から、バニラとタンニンのバーボン風味がやってくる。それがはっきりとわかる土のような風味へと移行していく。
フィニッシュ
ブドウのような風味のフィニッシュ。まるで熟成年の浅いアルマニャックのような感じ。
コメント
奇妙な感じのウイスキー。風味は豊かだが、バランスが不十分。